すっぽんが絶滅する?!食べられなくなる心配はある?

すっぽんは精力のつく食材として昔から人気があり、専門料理店などで食べることができます。古代から食されてきたすっぽんですが、野生のすっぽんの数は減少しています。すっぽんは今でも本州や四国、九州地方に生息してはいるものの、食材として使用されるのはほとんどが養殖のすっぽんです。

絶滅危惧種に指定されたすっぽん

2016年、国際自然保護連合(IUCN)は絶滅の恐れのある生物を記載したレッドリストを改訂し、すっぽんを絶滅危惧種に指定しました。

国際自然保護連合は、スイスに本部がある世界的な自然保護NGOです。
レッドリストは、年に2回ほどの見直しが行われています。

国際自然保護連合はレッドリストを作成、および見直しするにあたり、研究者達による調査結果をもとに、それぞれの生物が絶滅する危険性の度合いを査定し、ランクづけを行います。レッドリストでは特に絶滅の危機が高いと考えられる野生生物を次の3つのカテゴリーに分類しています。

・CR(CriticallyEndangered)絶滅危惧IA類
近い将来、絶滅の危機が非常に高い種

・EN(Endangered)絶滅危惧IB類
近い将来、絶滅の危機が高い種

・VU(Vulnerable)絶滅危惧II類
絶滅の危機が増大している種

すっぽんは絶滅の恐れが3番目に高いカテゴリーである絶滅危惧II類に指定されています。

すっぽんの生息数が激減している原因

野生のすっぽんは本州以南、四国、九州地方を中心に生息しています。江戸時代以降、食材としてのすっぽんの人気が高まるにつれ捕獲量が増え、天然のすっぽんの数は減り続けました。やがて養殖技術が確立され、食材としてのすっぽんは養殖されたものが主流になります。しかし養殖場から逃げ出したすっぽんや、中国などから持ち込まれた外来種のすっぽんが野生化し、在来のすっぽんと交雑することにより野生種は減少していったのです。また養殖用のために捕獲されたり、生息地の川や沼の環境悪化、環境破壊も減少の原因と考えられています。

日本の環境省の取り扱いは?

レッドリストは日本の環境省でも作成されています。日本のリストは国際自然保護連合のリストと必ずしも一致しているわけではありません。

環境省のレッドリストでは、すっぽんは情報不足という扱いです。国内に生息する野生のすっぽんの生体数について、ほとんど調査が行われていないのが現状であり、絶滅の恐れがあるかどうかについては不明としています。

食用としての影響はない

すっぽんは養殖技術が確立されており、卵から完全に養殖されます。現在、食用としてのすっぽんは、ほとんどすべてが養殖でまかなわれるため、絶滅危惧種に指定されても供給に影響が出ることはありません。

まとめ

すっぽんは料理店で食べることができます。食用のほとんどが養殖されたすっぽんであるため、絶滅危惧種に指定されても、すっぽんが食べられなくなるという心配は無用です。とはいえ、野生のすっぽんが激減している可能性は非常に高いといえるでしょう。

効果・成分・危険性・相性