すっぽんとすっぽんもどきの違いとは?

すっぽんとすっぽんもどきは名前がよく似ていることもあり、混同されやすい生き物です。両方の違いを聞かれても、答えに窮してしまうかもしれません。そこでここでは、すっぽんとすっぽんもどきの違いを詳しく説明します。

すっぽんとすっぽんもどきの比較

すっぽんとすっぽんもどきの主な違いは以下のとおりです。

すっぽん すっぽんもどき
分類 爬虫網カメ目スッポン科キョクトウスッポン属 爬虫網カメ目スッポンモドキ科スッポンモドキ属
別名(正式名) キョクトウスッポン、シナスッポン ブタハナガメ、ブタバナガメ
生息地 日本、中国、東南アジア、ロシア南東部、朝鮮半島、台湾 オーストラリア北部、パプアニューギニア、インドネシア
大きさと甲羅の特徴 甲長は30~40cmですが、中には60cmを超えるものもいます。甲羅は軟らかく小さめです。 記録の上では甲長は56cm程度ですが、実際には80cm以上になり、すっぽんよりもかなり大きく成長します。甲羅は普通のカメの甲羅と同じで、すっぽんの甲羅のように軟らかくはありません。
性格 臆病で、身を守るために近づくと噛みつきます。 一般に温厚でおとなしい性格です。

すっぽんとすっぽんもどきの生態の違い

すっぽんとすっぽんもどきの生態は大きく異なります。すっぽんはほとんどを水の中で過ごしますが、それでも時折、陸に出て日光浴をします。すっぽんの手足には5つの指があります。爪がある指3本と爪のない指が2本あり、これで歩き回ることができ、水陸両方で活動ができます。

すっっぽんもどきの足はウミガメの足の形に似ており、水中を遊泳するのに適しています。すっぽんもどきが陸に上がるのは産卵期のみです。

すっぽんは水温が15℃より下がると水底の泥砂に潜り冬眠に入ります。冬眠期間は10月頃から4月頃までの長期に及びます。一方、すっぽんもどきは冬眠しません。

すっぽんは肉食を好む雑食で、すっぽんもどきは草食に近い雑食ですが個体差があり、肉食を好むものもいます。

すっぽんもすっぽんもどきも、昔から食用とされてきました。すっぽんは天然のものが減るにつれ養殖が盛んになり、今では食用のほとんどが養殖でまかなわれています。

すっぽんもどきは環境の悪化、水質汚染、乱獲により生息数が激減しており、ワシントン条約の附属書II*に掲載されています。オーストラリアやニューギニアでは流通や輸出が禁止され、原住民の消費分を除いて食用を禁じているところもあります。現在、すっぽんもどきの食用利用は、まずないと考えてよいでしょう。

*ワシントン条約の附属書II

国際間の取り引きの対象となる動植物は附属書に掲載されます。絶滅の危機の度合いに応じ、附属書I、II、IIIに分けられています。すっぽんもどきが掲載されている附属書IIは、国際間の取り引きを規制しなければ、将来、絶滅の可能性が高くなる生物で、輸出入には輸出国の政府発行輸出許可書が必要とされます。

ペットとしてのすっぽんとすっぽんもどき

すっぽんもすっぽんもどきもペットとして、観賞魚店などで購入することが可能です。すっぽんもどきは幼体で販売されていますが、規制の関係で価格は高騰しているようです。すっぽんもどきはかなり大きく成長するため、遊泳用の非常に大きな水槽が必要とされ、一般の家庭でペットとして飼育するのには向いていません。

すっぽんは成長しても、すっぽんもどきほど大きくはならないですが、それでも最低1mくらいの水槽が必要です。水温や水質に気をつけ、日光浴をさせる陸地を作るなどの工夫が必要です。長生きする生き物ですので、ペットにするのには慎重な考慮が望まれます。

まとめ

すっぽんとすっぽんもどきは名前も一見した姿も似ていますが、実は違う生物です。すっぽんは養殖されたものが食用として利用されますが、すっぽんもどきは現在、食用にはまず利用されません。

天然のすっぽんは数は激減したとはいえ日本に生息しています。すっぽんもどきは日本には生息せず、オーストラリアやパプアニューギニアで生息しています。

ペットとして飼うとするならすっぽんで、すっぽんもどきは一般のペット向きではありません。いずれにせよ、長生きする生き物ですので、慎重に考慮することをおすすめします。

効果・成分・危険性・相性