中国ですっぽんは不老長寿の薬だった

高級食材として知られているすっぽんですが、中国では昔から不老長寿の薬として重宝されてきました。これはすっぽんに含まれる豊富な栄養と効果効能が、遠い昔にすでに人々の間に知れ渡り、注目されていたという証明でもあります。

中国の皇帝に提供されていたすっぽん

中国におけるすっぽんの歴史は古く、3000年前の周の時代に、皇帝に提供されていたという記録が残っています。古代、中国ではすっぽんを取り扱う特別な役職があるほど、すっぽんは貴重で大切なものだったのです。

当時の中国の皇帝の権力は絶対的で、欲するものはどんなものでも手に入れることができました。しかし、ただひとつ、どうしても手に入れることができなかったのが不老長寿、あるいは不老不死でいることです。そんな時代に、健康上の優れた効果効能が認められたすっぽんは特に注目を集め、大切に扱われ、不老長寿の薬として皇帝に愛されていたようです。

古代から中国では病気の予防を食事で行うように指導する医者がおり、皇帝をはじめとする人々に薬膳を提供していました。その薬膳にもすっぽんが用いられたのです。すっぽんは滋養強壮、不老長寿にと、薬膳のほかにも漢方薬に有効に利用されてきたのです。

古代から各部位に高い効能が認められる

中国の医学書、『神農本草経』、『本草網目』にすっぽんの効能が記載されていますが、すっぽんの各部位である頭、甲羅、肉、血、卵、脂肪、胆のうはそれぞれ栄養価が高く、人に有益な作用をもたらすとしています。腎臓、心臓、肝臓の強化をはじめ、生殖器官の強化や血液の流れの改善、免疫の向上などの効能を認めています。
漢方薬ではすっぽんの甲羅が特に重宝され、古代から現代に至るまで原料に使用され続けています。

すっぽんの甲羅はスープに配合すると滋養強壮の効能の高い貴重な素材であるとされています。

楊貴妃も愛したすっぽん

世界3大美女のひとり、楊貴妃にも宮中料理としてすっぽんが提供されたといわれています。すでにその時代に、すっぽんは健康だけではなく、美容にも効果があるということが知られていたのではないでしょうか。

皇帝でも手に入れることができない不老長寿、不老不死の薬を探し求めていた時代にすっぽんが皇帝に重宝されたという事実は、当時の人々のすっぽんへの思い入れの強さを表しています。すっぽんが不老長寿の薬として位置づけられていたといえる、非常に興味深い話ではないでしょうか。

注目を集めているすっぽんの高い栄養価

すっぽんは現代日本でもその高い栄養価に注目され、健康増進のためにエキスが漢方薬、サプリメント、健康食品にも利用されています。

すっぽんはアミノ酸、カルシウム、ビタミン、ミネラル類を豊富に含んでいます。動物性であるにも関わらず、不飽和脂肪酸を多く含み、生活習慣病の予防に有効であるといわれています。甲羅に含まれるコラーゲンは美容効果も期待できます。

効果・成分・危険性・相性