すっぽんとはどのような生き物?

すっぽんと聞けば、すっぽん鍋や生き血を真っ先に思い浮かべる人が多いと思います。しかしすっぽんそのものについては、あまり知られていないのではないでしょうか。ここでは生き物としてのすっぽんについてご紹介します。

すっぽんはスッポン科に分類されるカメ類

すっぽんは分類学上、爬虫網カメ目スッポン科キョクトウスッポン属に分類されるカメの一種です。河川や湖、沼の淡水に住んでいます。野生のすっぽんは北海道以外の日本のほぼ全域に生息しています。ただしその数は激減しており、2016年、国際自然保護連合(IUCN)は絶滅の恐れのある野生生物としてニホンスッポンを絶滅危惧種に指定しました。

世界的には中国、台湾、韓国、北朝鮮、東南アジア、ロシア南東部、アメリカ合衆国、メキシコに生息しています。

すっぽんの体の特徴

すっぽんは柔らかい甲羅を持ち、その長さは20~40cmで、大きいものは60~80cmにまで成長します。体重は平均すると2kg前後です。ほかのカメに比べると軽いのは甲羅が柔らかいせいです。

退化した甲羅

すっぽんの甲羅が柔らかい理由は甲羅の退化にあります。ほかのカメの甲羅に比べ、すっぽんの甲羅を形作る骨は少なく、面積も小さいのです。カメの甲羅は緑板と呼ばれる骨で縁取られていますが、すっぽんの甲羅に緑板骨はありません。

カメの甲羅はタンパク質の一種であるケラチンという角質成分で覆われているため固くて丈夫ですが、すっぽんの甲羅はそのような成分で覆われておらず、甲羅の骨の上は柔らかい皮膚なのです。

すっぽんの甲羅が柔らかいことによる利点は、水中の岩や石の隙間に簡単に出入りすることができ、自由に活動できることがあげられます。

長い首と強いあご

すっぽんの首は長く、鼻先だけを水上へ出し呼吸することができます。性格は臆病で、触られると強靭なあごを使って噛みつきます。これは甲羅が柔らかく、ほかのカメのように甲羅で我が身を守ることができないすっぽんの唯一の自己防衛方法なのです。噛まれた場合は引っ張らず、静かに水につけると離れるといわれています。

スッポンは発達した水かきがあり、水中で長時間生活ができます。水中の酸素をある程度取り入れることが可能であるといわれています。

すっぽんの生態

すっぽんはほとんどの時間を岩陰に身を潜めたり、水底の泥にまみれて隠れて過ごしています。そのせいもあり、すっぽんは夜行性では?といわれますが、実際はその臆病な性格のため、なるべく見つからないように過ごしているだけなのです。臆病なのは、カメのように身を守る固い甲羅を持ち合わせていないからと考えられています。

カメは日光浴が必要な生物で、すっぽんも例外ではありません。日光浴により体内でビタミンDを合成し骨を作ります。日光浴が不足すると甲羅の皮膚にカビが発生し壊死します。

すっぽんは肉食を好む雑食で、タニシ、水性昆虫、魚類、水草などを食べます。寿命は諸説あり、100年生きるなどといわれていますが、正確には確認されていません。30年から40年位が平均寿命とする意見が多いようです。

効果・成分・危険性・相性