すっぽんとカメの違いとは

すっぽんとカメは見た目がとてもよく似ています。しかしよく観察すると、色々違いがあることがわかります。すっぽんとカメは具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

すっぽんとカメの違い

甲羅

すっぽんは分類学上、爬虫網カメ目スッポン科キョクトウスッポン属に分類されており、カメの一種とされています。すっぽんとその他のカメの最も顕著な違いは甲羅です。

カメの甲羅は大きくて固く、隆起していますが、すっぽんの甲羅は小さくて軟らかく、隆起せず平面に近い形をしています。

すっぽんの甲羅を構成する骨は、他のカメに比べ少なく退縮しています。カメの甲羅をふちどる縁板骨と呼ばれる骨が、すっぽんの甲羅にはありません。カメの甲羅の骨の上はケラチンという角質、つまり硬タンパク質の一種で覆われていますが、すっぽんの甲羅はケラチンではなく皮膚で覆われています。このためカメの甲羅にある亀甲模様がすっぽんの甲羅にはありません。

カメの甲羅は外敵から身を守る役目を果たしますが、すっぽんの軟らかい甲羅では身を守ることができません。そのため、すっぽんは噛みつくことにより我が身を守るのです。すっぽんに歯はありませんが、顎の力が非常に強く、噛まれた時に無理に引っ張ると、指を食いちぎられることもあります。引っ張らず、水中に入れると離れていくといわれています。

すっぽんは甲羅が軽いため、とても速く走ることが可能です。しかし他のカメは甲羅が重く、素早く動くことができません。

皮膚

カメの場合、甲羅から出ている頭、手足、しっぽの皮膚をうろこが覆っており、乾燥から体を守ります。すっぽんの皮膚はうろこで覆われておらず、つるっとした感触の皮膚のみです。すっぽんは皮膚が弱く、適度に日光浴をしないと皮膚病になります。

指と爪

すっぽんは前後の足に爪がついている指が3本と、爪のない指が2本あり、それぞれの足に合計5本ずつ指がついています。インターネットなどで、すっぽんの指は3本と書かれていることが多いのですが、それは爪のある指の数を指していると推測されます。
他のカメは前足に爪のついた指が5本、後ろ足に爪のついた指が4本あります。ただし種類により前足の爪が4本や、後ろ足の爪が3本というカメもいます。

生態

カメは陸に上がって過ごす時間が多いのですが、すっぽんは水中生活に適応しており、ほとんどの時間を水の中で過ごします。普段は水底の泥砂に潜るか、岩陰に潜んで過ごすことが多いです。すっぽんの小さくて軽い甲羅は水中でも水の抵抗が少なく、他のカメより敏捷に動くことができます。

まとめ

このようにすっぽんはカメの一種であっても、他のカメと比べると、外見や生態にさまざまな違いがあります。野生のすっぽんの数は激減していますが、それでもまれに河川や沼などで見かけることができます。生きたすっぽんを見る機会があれば、軟らかい甲羅や指などをよく観察してみてください。

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