すっぽんに含まれるアミノ酸18種類

すっぽんは栄養価が高く、昔から疲労回復や滋養強壮に良いといわれています。その理由は、すっぽんには多くの栄養素がバランス良く含まれているからです。中でも特に注目したいのがアミノ酸です。すっぽんに含まれるアミノ酸とその特徴について説明します。

人体のたんぱく質を構成するアミノ酸

人の体は水分が約60%、たんぱく質が約20%、脂肪が約15%、その他の物質が約5%で構成されています。この中で、体を作る筋肉、内臓、皮膚、髪の毛、骨、神経など、ほとんどのものがたんぱく質でできています。たんぱく質はアミノ酸がつながってできたものです。

自然界には何百というアミノ酸の種類が存在しますが、人のたんぱく質を構成しているのはたった20種類のアミノ酸です。

すっぽんは人が生きていくうえで不可欠であるアミノ酸20種類のうち、18種類のアミノ酸を含んでいることが確認されています。また、必須アミノ酸に関しては、すべての種類を含んでいます。

豊富なアミノ酸を含むすっぽん

体内で合成できない必須アミノ酸の種類と働き

アミノ酸20種類のうち、体内で合成することができない9種類を必須アミノ酸と 呼びます。必須アミノ酸は食品からの摂取が必要です。

必須アミノ酸はバランスが非常に大切で、特定のアミノ酸だけを摂取してもたんぱく質はうまく合成されず、健康上、好ましくありません 。その点、バランス良く必須アミノ酸を含むすっぽんは非常に優れた食品であるといえます。

(1) イソロイシン
筋肉修復、疲労回復、成長促進、神経機能を正常に保つ

(2)ロイシン
筋肉維持、肝機能向上

(3)バリン
筋肉強化、肝機能改善、美肌効果

(4)トリプトファン
不眠改善、鎮痛、アンチエイジング、記憶力向上、精神安定

(5)リジン
疲労回復、ヘルペスの予防と改善、肝機能向上

(6)メチオニン
肝機能改善、うつの改善、老化防止

(7)フェニルアラニン
うつの改善、鎮痛、神経伝達物質の材料

(8)スレオニン(トレオニン)
成長促進、脂肪肝の予防

(9)ヒスチジン
成長促進

体内で作られるが食品からも摂取したい非必須アミノ酸の種類と働き

非必須アミノ酸は体内で合成されるアミノ酸で、必須アミノ酸に比べると不足する心配は低いといわれています。とはいえ、かたよった食生活や加齢などにより合成される量が不十分なこともあり、食品からも摂取することがすすめられます。すっぽんには少なくとも次の9種類の非必須アミノ酸が含まれています。

(1)アラニン
アルコール代謝の改善、肝機能向上、免疫力向上

(2)グリシン
睡眠の質の向上、美肌

(3)セリン
記憶力向上、肌の保湿

(4)チロシン
ストレス緩和、集中力向上、白髪予防

(5)システイン
メラニン色素の生成の抑制、美白、傷の治癒促進

(6)プロリン
肌の保湿、コラーゲンの合成促進、脂肪燃焼

(7)アスパラギン酸
利尿作用、老廃物の排出促進、疲労回復

(8)グルタミン酸
疲労回復、認知症の予防、利尿作用

(9)アルギニン(子供は体内で合成できない)
血流促進、免疫力向上、アンモニアの除去、性機能改善

バランスの良いアミノ酸を含むすっぽんは美容と健康に理想的

アミノ酸は体の機能を整え、健康な体作りをサポートします。特にスポーツをする人は、筋肉疲労の回復や持久力向上に アミノ酸の働きが必要です。また美肌作りや美髪にもアミノ酸は活躍してくれるのです。このように、アミノ酸を含むすっぽんは、美容と健康増進に理想的な食品であるといえるでしょう。

まとめ

アミノ酸は人の体を構成するたんぱく質のもとになる物質です。人のたんぱく質を構成しているアミノ酸は20種類あります。

20種類のアミノ酸のうち、人の体内では合成されず、食品から摂取する必要がある9種類のアミノ酸を必須アミノ酸と呼びます。すっぽんはすべての種類の必須アミノ酸を含んでいます。またすっぽんには、体内で作られる非必須アミノ酸も含まれています。アミノ酸はバランス良く摂取することが大切です。
すっぽんは豊富なアミノ酸をバランス良く含み、美容と健康に理想的な食品であるといえるでしょう。

効果・成分・危険性・相性